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偽りの私たちが零す涙は【保科宗四郎】

第14章 愛縛 〜抱愛〜


シャワーを浴び終わり、ベッドの上で宗四郎さんの腕の中に収まる。その温かさに目を瞑って眠ろうとしていた。

「なぁ澪ちゃん…僕、寝れそうにないわ。セックスん時の澪ちゃん可愛すぎて、忘れられへん。明日も明後日も、抱いてええ?」

私も眠れなくなるからやめて欲しい。落ち着いた心臓がまた、どんどん早くなっていく。

「優しくしてくれるんだったら…」

「めっちゃ優しいするわ!さっきやって、優しかったやろ?」

優しかったけれど、意地悪でもあった。でも、そんなあなたが好き。抱かれて、もっと好きになった。

この気持ちは、いつまで抑えられるんだろう。私の気持ちばかり押し付けても、宗四郎さんが離れていってしまう気がするの。

「あかんわ……離れな寝れんのに、離れたない。もうほんまに可愛ええ。男の目ぇに触れんように、閉じ込めてまいたい」

ちょっと黙っててと口元を手で押さえた。このままだと、眠れそうにない。私の中が、彼の言葉一つ一つに反応して喜んでるの。

手の平をぺろっと舐められて、慌てて離す。なんてことをするのだ。心臓がうるさくてしょうがない。眠くて、今すぐにでも寝たいのに…。

「可愛ええ…澪ちゃん」

上を向かせられて額にキスをされる。その後も顔中にキスをされた。この人は…どういう気持ちでそんなことを言って、こんなことをしてるんだろう…。

おやすみと後頭部を撫でながら掴まれて、腕枕をしている手にも肩を掴まれたまま眠った。
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