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偽りの私たちが零す涙は【保科宗四郎】

第13章 宵闇 〜恋闇〜


その後、亜白隊長は私たちを留まらせ、あかりんやジュラちゃん、そして宗四郎さんを呼んだ。
私たちのことかもしれない。昨日、3人で話し合って、このメンバーに話すと決めた。すでに小隊長たちや小此木さんには宗四郎さんが伝えてくれている。

呼び出した3人が来て、亜白隊長の少し後ろに立つ宗四郎さんの隣に並んだ。

「君らに言っときたいことがあるんや。今から言うことは他言無用やで?小隊長らは知っとるけどな」

軽い感じで話し始めた彼は、私の左腕を掴んで掲げる。指輪を見せているんだろう。呼び出された時につけてきてよかった。

「僕らの結婚は――偽装や。僕、モテすぎてなぁ…基地内に忍び込む人までおったん。やから、澪ちゃんには協力してもろてる」

掴まれた腕を引き寄せられて、今度は頭に手が回る。
急になに?
一気に心臓が早くなる。

宗四郎さんはせやけど…と続けた。

「この子はほんまに僕のことしか見てへんから、君らが手ぇ出す隙はないで」

なんでそんなこと言うの!?必死に心臓を収めようとしたが無理だった。

「そ、宗四郎さんだって!どういう意図でそんなこと言ってるの!?」

独占欲に思えて仕方なかった。僕のだから手を出すなと言われている気がした。勘違いばかりするからやめて…。
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