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偽りの私たちが零す涙は【保科宗四郎】

第13章 宵闇 〜恋闇〜


夕方、今日の撤去作業が終わると、隊長室に呼び出された。私の他に、伊春くんや市川くん、出雲くんに神楽木くんもいる。
他部隊に移籍、という提案された。提案というよりほぼ、命令だろう。

だから、宗四郎さんは前、私にどうしたいか聞いたのか。結局、私はどうなったのだろう。

「此度の怪獣災害で、立川基地は基地としての機能を75%失った。よって、新人の育成機関としての役割を果たせないと判断したのだ」

上層部は大怪獣の発生が続き、一連の群発型大災害ではないかと疑念を抱いているようだ。
相模原で戦った9号や、宗四郎さんが戦った10号のような大怪獣がまだ続くかもしれないだけではなく、同時多発する可能性もあると。

「我々は備えなければならない。鍵は君たちだ。全部隊の、特に優秀な新人を部隊の垣根を超えて育成する」

優秀…私はその中に入っているのだろうか…。

「8号のせいですか?……上は日比野カフカと親しかった隊員を、バラバラにして監視するつもりなんじゃないですか?」

出雲くんの鋭い疑問が飛んだ。
だが亜白隊長は、以前から計画されていたもので、日比野さんは関係ないとはっきり答えた。

市川くんだけがやると即答していた。

「朝霧についてだが…お前は保科の元で訓練をすることが決まっている。あいつの期待に応えてやってくれ」

「っ、了!」

宗四郎さんが私に期待してくれている。
胸が高鳴った。私はあの人の元で、どこまでも強くなってみせよう。

私たち新人はバラバラになるかもしれないが、きっとまた一つになれると信じている。日比野さんも一緒に…。
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