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偽りの私たちが零す涙は【保科宗四郎】

第13章 宵闇 〜恋闇〜


ちらっとみんなを見ると、ポカン…としていた。
そうだよね、偽装って言ってるのになんか、本気っぽいよね?

だが、一人だけ興味津々の人物がいる。

「基地内でキスをしていたと聞きましたが…本当ですか?」

出雲くんだった。この場面で、なんでそんなことを聞くの…。
宗四郎さんは、したで〜と軽く返している。
私ばかり意識していて、辛かった。

「澪ちゃん、ちゅーすると止まらんくなんねん…な?」

いや、な?じゃない。やめて…顔から火が吹き出そうな程熱い。

「なんで私ばっか…宗四郎さんだって、触った。き、キスして触りたくなったんでしょ!?」

神楽木くんは無表情、伊春くんは顔を赤くしてなんで?と混乱していた。市川くんはポカンとしていて、なんのことかわかっていない様子。あかりんは真っ赤で俯き、ジュラちゃんは何もわからず楽しそうだなと言っている。

個性豊かだね……出雲くんは未だに興味津々だし。

「僕は楽にしたろ思ただけや。まあ…家では僕が主導権握るけどな」

亜白隊長はお前らは何をしてるんだと呆れていた。

みんなから、本当に偽装なのかと疑っているような目を向けられて、どうしたらいいかわからない。

頭に回している手に引き寄せられて、寄り添う形になる。

「……僕のや」

軽快な話し方だった宗四郎さんの、少し低くて真剣そうな声が最後に響いた。



〈宵闇:偽装結婚中編 ―終―〉
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