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偽りの私たちが零す涙は【保科宗四郎】

第13章 宵闇 〜恋闇〜


ちょっと待っとってと寝室を出ていき、濡らしたタオルを持ってきた。私の口を拭き胸や股を綺麗にしてくれる。
そしてタオルを置いてきて、隣に横になった。

「嫌やった?嫌な時はちゃんと言うてな?」

未だに少し息が荒い私の手の上にそっと手を置き、枕に顔を沈ませて聞いてくる。正直、めちゃくちゃ可愛い。

「……嫌なわけない」

「ふふ、そうか。ほな、もっとイかせたろうかな」

やめてと身体を宗四郎さんの方へ向けた。
手が離れて布団を手繰り寄せた彼は、そのまま私を抱き竦める。

宗四郎さんはこんなことを、好きでもない女にするのかな…。
誰にでも優しくて、好きでもない子を抱ける彼に、疑問を持ちながら不安になった。さっきまではあんなに満たされていたのに、余計なことを考えてしまって、胸が締め付けられる。

少しだけ涙を零しながら、温かい腕の中で眠った。
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