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偽りの私たちが零す涙は【保科宗四郎】

第13章 宵闇 〜恋闇〜


食器等を片付けてから宗四郎さんの服を剥ぎ取る。

「澪ちゃんのえっちー!」

もう、どうとでも言っててください。
シャワーを浴びたので、また薬を塗らなければいけない。

未だに熱を持つ腫れに指を這わせる。優しく撫でる度に宗四郎さんの身体はピクピクと動き、笑うのを我慢しているようだ。

「……擽ったいのと痛いの、どっちがいい?」

「え…どっちもやや!」

たぶん、どっちかしかないと思うけど…だって、これ以上力を入れたら痛がりそう。

鎖骨や首を見ていると触れたくなって、薬を塗る前に吸い付いた。散々跡をつけてくれたお返し。
何度も吸って耳たぶを食んだ。ピクッと震えて、一瞬、甘い吐息が漏れたのが聞こえた。

顔を離して大人しく塗っていく。

「なぁ澪ちゃん……気付いてんやろ?おっきしとる」

「……おっ、き…?」

首を傾げた私を見て宗四郎さんは一瞬、目を見開いた。そしてすぐいつもの糸目に戻り、ケラケラと笑い出す。わけわかんない。

いきなり耳元に近付いてきたので、ビクッと肩を震わせる。薬を塗ってるだけでドキドキしてるのに、もっとドキドキさせないで…。

「僕のん、勃ってもうた…って意味や」

顔が…顔が熱い。耳元でいきなりそんな言葉を発しないで欲しい。
確かに膨らんでいるのには気付いていた。

「そ、ソウナンデスカ、気付いてませんでした」

「くっふふっ…だーはははっ!なんなんそのカタコトは!気付いとったんバレバレや!ふふ…ったあ!!やめ、いた…」

痛いのは私のせいじゃない。宗四郎さんが動くから指が押し込まれただけだ。
私の気も知らないで…そういう揶揄い方は心臓に悪い。

痛みで大人しくなったので、どうにか塗ってしまう。ずっとそうしてて欲しい。
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