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偽りの私たちが零す涙は【保科宗四郎】

第13章 宵闇 〜恋闇〜


「澪ちゃんさ……僕に訓練つけてもらうんと、他部隊で強くなるん…どっちがええ?」

いきなり仕事の話ですか…。
ご飯を食べていると真剣な顔でそう告げられ、どうしていいかわからず黙る。

そもそも、宗四郎さんは襲撃の件で相当忙しいだろう。そんな状態で訓練をつけるなんて、身体を壊してしまう。

だからと言って、他部隊となると…宗四郎さんと離れてしまう。それでも、強くなれるのなら、喜んで行く。

私が成長するには、どちらがいいのかわからなかった。
目を泳がせて宗四郎さんを見る。

「君が他部隊行くんやったら、第6がええと思うけど、西やからなぁ…」

なんで第6?宗四郎さんのお兄さんのとこだよね…よくわからずに首を傾げた。

「君に教えたいもんあんねん。僕か兄貴やないと教えられん……どうする?」

だから第6に…それなら、私は宗四郎さんの元で強くなりたい。
ご飯を食べ終えて優雅に珈琲を飲む姿に見惚れてしまい、すぐに返事を出来なかった。

「お願い出来ますか?副隊長…」

胸の高鳴りを抑え、はっきりと言葉を紡いだ。
それに宗四郎さんはニヤッと口角を上げる。

「ええで。きつい言うて泣いても知らんからな」

「了!」

力強く答え、私も急いでご飯を食べ終えた。
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