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偽りの私たちが零す涙は【保科宗四郎】

第13章 宵闇 〜恋闇〜


ご飯を作っていると、カウンターに肘をついた彼に見つめられている。

「…なぁなぁ澪ちゃん。僕とセックスするん、楽しみやろ?めっちゃ気持ち良さそうにしとるもんな」

「っ…宗四郎さんだって…き、キスで止められなくなってるじゃん…」

僕は楽しみやもん、とカウンターから離れ、珈琲を淹れに行く。

好きなのか、身体だけなのか…はっきりしてもらいたい。いや、身体だけだと思うが…それでも、彼の甘さに勘違いしてしまう。

珈琲の香りが空気の溶け、また宗四郎さんといれるのだと、胸が温かくなった。
いつか、この気持ちをちゃんと言葉にしたい。

「澪ちゃん、僕のちんこと飯、どっちが好き?」

この人はまた…心臓を跳ねさせ、顔を熱くしながら黙る私を見て、楽しそうに笑う彼を睨んだ。
どうやら、珈琲は淹れ終わったようだ。

「僕は、恥ずかしがっとるのに、正直な澪ちゃんのココ…好きやで」

カウンターを回り込んで私の後ろに来た彼は、すっ…と私の中心を撫で上げた。ビクッと跳ね上がった私を見て、ケラケラ笑い出す彼の頬に軽く口付けて、何事もなかったかのように料理を再開した。

それでも、心臓の高鳴りは抑えられない。
甘すぎる彼に溶かされる。

「そ、宗四郎さんの…ち……好き…」

「ははっ、言わんのかい!」

宗四郎さんは照れ隠しのように笑って、赤くなった頬を隠すように離れていった。
そういう反応、勘違いしてもいいってことですか?
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