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偽りの私たちが零す涙は【保科宗四郎】

第13章 宵闇 〜恋闇〜


呼吸で身体が大きく上下する。まだ身体がピクピクする。

「まだきつい?」

「ん…大丈夫……じゃない」

ケラケラと笑いながら立ち上がった宗四郎さんは、やり過ぎてもうたなと謝って私を抱え上げる。ん?抱え上げる…?

「ちょ…!宗四郎さん、降ろして!怪我が…!」

こんくらい大丈夫や、とそのまま浴室へ向かう。少し眉間に皺が寄っていて、彼の身体の至るところが熱い。興奮の熱ではなく、怪我の熱。
全然、大丈夫じゃないじゃない…そう思いながらも、ぴとっと身体を寄せた。

シャワーを浴びていると後ろからぴと…っとくっついて首筋を甘噛みされた。まだ敏感な肌は、その感覚で震え上がる。

何度も首を吸われて反対側も吸われる。背中もたくさん吸われて、振り向かせられた。喉にも胸にもお腹にも、赤い花が散っていく。片足を上げられると、太腿にも跡を残していった。

あの…付けすぎでは?

彼が何故、こんなことをするのかわからない。戦闘で頭や身体を使いすぎて、おかしくなっているのかも。こんな……独占欲を目に見える形で残すなんて…しかも、服で隠れて見えないところまで。

宗四郎さんの唇が触れたところが、火傷をしたように熱い。全身熱くてどうしようもなかった。

片目を開けてちらっと私の顔を見た彼は、太腿を舐め上げながら茂みを通って上まで上がってくる。途中で突起を吸って少し舌で転がした。
顎を噛んで少し離れる。

「澪……僕の奥さんは他の男なんか、見たらあかんよ」

「え……んっ」

言葉を紡ぐ前に唇は塞がれ、熱い舌が絡んだ。
ぬるぬると唾液が絡み、上顎を擽られて肩を竦める。そのまま上顎をなぞりながら熱は離れていった。

「ふっ…ちゅー、気持ちええね。僕とおったら、ぎょうさん気持ちようしたるから。あ、心臓ないなったら堪忍な」

心臓がある部分を指でなぞり口付けて、耳を当てて澄ましている。
早く動き過ぎて苦しいの…全部、宗四郎さんのせいだから。
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