第13章 宵闇 〜恋闇〜
「保科流刀伐術1式、空討ち!」
怪獣の顔に傷を付けながら地面に着地する。
「副隊長っ!!怪我が…!」
澪ちゃんの声を無視して、怪獣の攻撃を躱す。
「もうわかった。その武器では俺は倒せない」
うっさい、そんなんとうにわかっとるわ!
背中に余獣が飛んできているのに気付くのが遅れ、自爆で吹き飛ばされる。
とにかく、澪ちゃんから怪獣を離さんといかん。
彼女とは反対の方向に駆けていく。
『諦めろ、宗四郎。お前は銃器の解放戦力が低い。今の時代、それでは通用せんのや』
『諦めなさい、保科くん。近年、怪獣の大型傾向が顕著だ。刀だけでは、いつか必ず命を落とす』
おとんと当時の隊長の言葉を思い出す。
地面を転がり地に手をついた。
「ガキの頃から耳タコやっちゅーねん!」
すぐに立ち上がり走り続ける。
けどあの人は言うてくれた。
『君の力が必要だ。私の部隊に来ないか?保科』
『私が敵を射抜く時、君がその道を切り開いてくれないか』
澪ちゃんやって言うてくれた。
『保科さん、すごい…!刀、かっこいいです!刀とか銃とか関係ない!防衛隊は市民を守る為のもの。保科さんは…えっと、その…強いです!すごいです!』
あの人に任された留守や。死んでも守る!
怪獣の攻撃を躱しながら腕を駆け上がり、2式から5式までを息をつく間もなく繰り出していく。
「6式……っ!」