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偽りの私たちが零す涙は【保科宗四郎】

第13章 宵闇 〜恋闇〜


振り翳された怪獣の拳を身体を横に倒して躱す。
隕石みたいなアホ威力や。一発でもまともにもろたら終い……あの子を泣かせてまう。

怪獣の拳と僕の刀がぶつかり合う。カキンッ――と音を立てて弾かれた。
硬さは8号以上かっ…!

「ちょっとでも怪我したら泣かれそうやねんけど…」

空中でボソッと呟き、距離を取りながら攻撃を躱すことにした。
どうせ、あの子は僕に泣き顔見せてくれへんけどな…。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

余獣との戦場に辿り着くと、きこるんが斧を振り翳していた。あれは――専用武器?きこるん、基地No.3の解放戦力を持ってるもんね。きっと…現長官の娘として、血を吐く程の努力をしてきたのだろう。

「正面からぶち抜けばいいのよ!」

対余獣戦でも苦戦を強いられているそうだったが、きこるんのお陰でそうでもなかったらしい。
翼竜系の腹部が硬く、背中側を狙おうしていたが、怪獣が連携を取っていたので背後を取れないと聞いていた。

そのままきこるんは2体倒し、空から来た余獣は市川くんが凍結弾で撃ち落とす。そして、きこるんが首を落とした。

すごい連携…2人はそのまま四ノ宮分隊として、戦場を掻き乱していった。

私も…。

基本銃から手を離し、拳銃とナイフを手に持った。
一番戦い易い戦法がいい。

私はそのまま降ってきた余獣を突き刺し続けた。
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