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偽りの私たちが零す涙は【保科宗四郎】

第13章 宵闇 〜恋闇〜


「斑鳩聞こえるか!お前が対余獣の指揮を執れ!最優先は民間への被害拡大阻止及び、本庁舎の機能維持や!本獣は僕が――」

「副隊長っ!!」

宗四郎さんが斑鳩小隊長へ通信で指示をしている間に攻撃が飛んでくる。デコピンの風圧のみで私たちの後ろの建物の壁を破壊した。

今のは宗四郎さんを狙っていた。

すぐに怪獣は拳を振り翳しながら突進してくる。咄嗟に避けて、土煙の中、状況を確認する。
宗四郎さんは一人の隊員を抱えて躱していた。

「こいつは、僕がやらなあかん」

今この基地であの本獣の対処を出来るのは宗四郎さんのみ。それはこの基地にいる誰もがわかっていた。

「それじゃあ本格的に、殲滅開始だ」

本獣の顔の十字の線が開き、青い目のようなものが現れた。
真っ赤な身体から咆哮が上がると、余獣たちの咆哮までも聞こえてくる。反応している。

「やはり、狙いはここか――朝霧!お前は余獣の対処をしろ!行け!」

「でもっ…!」

「うっさい、はよ行け!……っ!」

了と返して後ろ髪を引かれながら、本獣の攻撃を躱す彼から目を離した。
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