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偽りの私たちが零す涙は【保科宗四郎】

第12章 宵闇 〜酔闇〜


激しく絡まる舌が離れていく。唾液が糸を引いた。
息が苦しくなる程、心臓がうるさい。

熱を宿した鋭い赤紫に真っ直ぐ射止められる。
お互いの熱い吐息が混ざり合って、頭は真っ白になっていて何も考えられない。

「はぁ…ん、澪ちゃん……」

「あ…そうし……んっ、んぅ…」

また唇が重なって舌を絡め取られる。水音が響く程、激しく貪るように口付けを落とされる。

視界に映るものは全て副隊長で、聞こえるのは副隊長の角度を変える度に漏れる息の音と、くちゅくちゅという耳を官能的に刺激する水音。

口の中は副隊長に支配されて、鼻は副隊長の匂いだけを感じ取った。

開かれた膝の中で副隊長は、自身を私の中心に押し付け、擦っている。
その感覚だけで、ビクビクと腰が震えてしまう。

副隊長の熱でおかしくなりそう。

親指で頬を撫でながら、他の指で耳を刺激される。
そのままその手は髪の隙間を縫って頭に移動し、頭を固定されたまま激しいキスに応えた。
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