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偽りの私たちが零す涙は【保科宗四郎】

第11章 宵闇 〜慰闇〜


2週間が経ち、私たち3人は訓練に復帰していた。
入院中はよく副隊長が来てくれて、いつも温かかった。同期の子たちも来てくれた。

私たちが戦ったあの人型怪獣は怪獣9号と識別番号がついたらしい。
怪獣8号のお陰で今、私たちは生きている。

伊春くんや市川くんと一緒にお店へ来ると、クラッカーを浴びせられた。私たちの退院祝い兼慰労会ということらしい。

3人でお礼を言い、慰労会が始まる。

「澪ちゃん、こっちおいで〜」

副隊長に呼ばれてここやと隣に座らせられる。私とは反対側の副隊長の隣に市川くんがいる。私の隣、端っこにはオペレーターの小此木さん。
亜白隊長は来れなかったらしい。

同期揃っての非番。
副隊長の乾杯の挨拶でみんなが騒がしくなる。

一気にビールを流し込んだ。
楽しいな…みんな無事に初任務を終えられた。

周りでは言い合いが始まる。初任務でのお互いの文句を言い合っているようだ。副隊長や小此木さんが言うには毎年の風物詩らしく、私はそれらを聞きながらふわふわしていた。

「澪ちゃん、酔ってきとるやろ。ずっと笑ってんで」

気のせいですよ〜と副隊長に寄りかかり、天井を見上げた。

次の瞬間には背中の支えがなくり、そのまま倒れていく。頭はしっかり大好きな手に守られていた。

見上げるとケラケラ笑って、びっくりした?と揶揄ってくる。

「びっくりした…もう起きれない〜」

心臓は未だにバクバクと鳴っている。この音がただびっくりしただけとは思えないが、そう思うことにした。
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