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偽りの私たちが零す涙は【保科宗四郎】

第10章 宵闇 〜初闇〜


「何してんねん。そないな身体で飛び出して来るな」

副隊長は私の身体を支え続ける。腹部にある彼の手が私の血で染まっていった。
止血が間に合わない。動いたから余計出てきてしまっている。

「ごめん、なさい…」

痛みや出血、戦闘が終わって緊張から解き放たれた感覚、副隊長に触れられている安堵。
私の意識は遠くなっていく。

温かい彼の胸に身体を預け目を閉じた。

「ようやったな、お疲れさん」

優しくて温かい声が鼓膜を震わせ、私の意識は落ちていった。
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