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偽りの私たちが零す涙は【保科宗四郎】

第10章 宵闇 〜初闇〜


周りを警戒しながら住宅街を走っていた。伊春くんたちとは少し離れていて、2人の姿は見えない。

少しすると、伊春くんだけが走ってこちらに向かってくる。

「朝霧!逃げろ!!今レノが足止めをしてる!」

足止め?何があったのかわからないが、私は伊春くんが来た方向に足を進めた。
私たち3人の戦力は同じくらい。市川くん一人でどうにかなるのなら、3人で戦ったら勝てるだろう。

急いで市川くんのところへ向かう。
走ってきた先には人型怪獣と対峙する市川くんの姿があった。

怪獣の指がボゴッと膨れ上がり、指先から発射された。
伊春くんが市川くんを助けて、なんとかなったようだ。

すぐに私は拳銃を構えて撃ち込んだ。ナイフで突き刺したいが、あの怪獣の強さがわからない。
人語を操る怪獣は、そんな私を邪魔だと言うように、銃のような攻撃を指先から繰り出してくる。

躱せずに肩や腕に当たり、脇腹を掠める。傷口が一気に熱を持って痛みを発した。だがすぐにスーツの怪獣繊維を使って止血する。

怪獣の動きをよく見て予備動作を確認すると、なんとか躱せるようになる。

「朝霧さん、下がって!俺が行きます!」

市川くんと目が合い、頷きながら後方へ跳んだ。
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