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偽りの私たちが零す涙は【保科宗四郎】

第9章 仮契 〜忍契〜


ベッドの端に腰掛けていた。
シャワーを浴び終えた副隊長がゆっくりと私の両端に手をついて近付いてくる。

濡れた髪から雫が太腿に落ちて、反射的に足を閉じた。その反応に気付いた副隊長は、ふっ…と笑みを浮かべて、頬を撫でてから顎を掴む。

心臓が痛いくらい高鳴っていた。
副隊長の熱が手から私の顎に移って、体温が上がっていく。

「…はよ上がってきてって、何するつもりやったん?」

耳元で囁く彼の熱い吐息が耳を掠める。その感覚に身体は震え、息が荒くなっていった。

太腿に落ちた雫を指でなぞり、そのまま寝巻きのショートパンツの隙間に滑り込んでくる。
ピクッと膝を軽く上げ、少しの迷いが身体に現れた。

副隊長は指を抜いて、私の身体のラインをなぞるように上がってきた。

「…僕のんしてくれるん?やから、風呂に入ってきて触ったんやろ?澪ちゃんにしてもらわな、治まらん」

声は優しかった。けど、赤紫の瞳は鋭さをちらつかせながら私を捉えていた。

「ま、待って…」

「無理や、待たん。さっきええ言うたやん。僕のも触った……もうええやろ、やらせろや」

押し倒されてベッドに沈み込む。両手は頭の上で片手で押さえ込まれた。

威圧的な彼の態度に怖くなる。自分でしてもいいと言った。自分から副隊長に触れた。それなのに、いざとなると怖かった。

低くなった声に熱が滲んでいる。私を押さえ込む力は強くて、いつもの優しい副隊長じゃない。

食べられそうな程の勢いで唇を奪われ、舌が激しく絡んだ。手は身体を這って服の中に入っていく。ブラをずらされ、突起をきゅっ…と摘まれた。

素直に反応する身体と恐怖で震える心。

前に無理やりされそうになった時の恐怖がフラッシュバックした。

「んぅ…やっ…やぁ!」

角度が変わる度に拒絶の言葉を発する。身体を動かして逃げようとしていた。
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