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偽りの私たちが零す涙は【保科宗四郎】

第9章 仮契 〜忍契〜


「風呂入るか?シャワーだけでええ?」

「シャワー…」

すでに遅い時間なので、シャワーだけにすることにした。
じゃあ先に浴びてきと言われて、言葉に甘えて先に浴びる。このシャワーが何もかも洗い流してくれたらいいのにな。

温かいお湯を浴びて身体の芯を温める。それだけで少し楽になった気がした。

目を瞑って浴びているとガチャ…という音が聞こえて、ビクッと大きな反応を見せながら腕で恥ずかしいところを隠す。

「あ、すまん…もう出る?一緒に浴びてええ?」

「ま、まだ洗ってないです…邪魔じゃなければどうぞ…」

自身が発した言葉に驚きながらも、私は欲しているんだなと思った。触れられると怖いのに、一緒にシャワーを浴びるなんて…。

お湯に浸かるわけでもないのに一緒にシャワーを浴びるということは、何かをするということだろう。それをわかっていながら頷いた。

服を脱いで浴室に入ったきた副隊長は、髪を洗っている私の真後ろに立って、お腹に手を回してきた。ゆっくり触れて優しく撫でる。肩を震わせながらも、逃げることはしなかった。

「嫌がることはしやん。やから、嫌やったら言うて」

優しく耳元で囁いて、背中に密着してきた。お尻に当たった彼のモノが少しずつ熱を帯びていく感覚が伝わってくる。

あの女の人とそういうことをしてきたのではないのか。それなのにまだ足りないと言うの?

そんなことを思うと苦しくなるけれども、まだ私を求めてくれている気がして嬉しかった。
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