第7章 仮契 〜甘契〜
動きが止まった副隊長は胸から離れ、手も下着から引き抜かれていく。手首を掴んでいた手は私の手を優しく握った。
落ち着けるように深呼吸をする彼と、荒く息をする私が重なった。
「……泣かす言うたやろ。したないんなら、もう僕を煽んな」
怒気を孕んだ低い声に肩が震える。ごめんなさい…と震える声で謝った。涙が零れないように眉間に力を入れて副隊長を見つめる。すると、一度溜め息を吐いた。
「わかったか?無理にはせんから、君から攻めて来んで。僕の精子まで飲んだ子や、ええ思うのも当然やろ」
途端に優しい顔になり、声も穏やかになる。
握っている手が私を安心させるように優しく撫でた。
「ごめんな…怖かったやろ。もうやめてな?」
隣に横になった彼に背を向けると、布団が被さる。優しい手つきで肩を撫でられた。
「…寝よか。もうせぇへんよ」
腕の中に優しく閉じ込められても、彼が触れる度、身体がビクッと反応する。触れて欲しいのに、怖い。
もうしないと言ってくれているのに、またあんな風に触られたらどうしよう…と強引に私を支配しようとする彼がチラついた。