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偽りの私たちが零す涙は【保科宗四郎】

第7章 仮契 〜甘契〜


無理やり服を剥ぎ取られていく。どんなにやだ、やめてと言ってもやめてくれなくて、露わになった胸に舌が這った。

舌の熱さに思わず声が漏れる。

今まで拒めばすぐにやめてくれたのに…少し恐怖を感じながらも正直に反応する身体に困惑していた。

「やめ…んっ、やめて…!」

胸の形を変えていた指はお腹を撫で、下腹部に伸びていく。熱い吐息が胸にかかり、薄く開かれた瞳は俯いていて、心理を読み取ることが出来なかった。

「おねが…やめて…やっ…!」

身体の奥は冷えていくのに、副隊長に触れられた部分が熱い。

下着の中に忍び込ませた指が割れ目の中を暴くように滑った。

「悦んどるで」

濡れた突起を撫でられる度に腰が跳ねる。嫌なのに反応してしまう身体。自分の身体なのに、自分のものではない気がした。

何度やめてと言っても指の動きは止まらずに、拒む手すらも自由を奪われる。

怖い…初めて副隊長にそんな感情を抱いた。

胸の突起を吸われながら、自身の下半身から響く水音に耳を塞ぎたくなる。拒んでいるのに、怖いのに…身体だけ正直なのが、酷く恐怖を煽る。

肩や手が震えて、指先が冷えていく。

なんでこんなことをするのですか…あんなキス、今までしてきたのに…。

視界が歪んでいく。彼の前では絶対に泣きたくない。必死に抑え込んだ。

やめてと懇願する中、赤紫と視線が交わった。
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