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偽りの私たちが零す涙は【保科宗四郎】

第7章 仮契 〜甘契〜


「私ばっか…なんでそんな余裕なんですか。余裕なくしたり、照れたりとかしてくださいよ…」

お風呂から上がり副隊長の寝室についてきて、ベッドの上で副隊長に覆い被さった。

「なにする気や?」

キスします…と真っ直ぐ彼を見つめた。副隊長は少しだけ焦りの色を顔に滲ませた。キスなんて何回もしてるのにどうしたんだろう。

「してもええけど…僕が止まらんくなったらどうするつもりや?泣かすで」

副隊長の言葉を無視して口付ける。優しい副隊長のことだ、泣かすことなんてないだろう。私は安心して舌を絡ませていった。

いきなり腕を引っ張られて、今度は私が組み敷かれる。唇が離れて瞼から現れた瞳に睨まれた。

「知らんで。ええ言うことやろ。泣いてもやめへんからな」

いつもよりも低く地を這うような声。熱を宿した瞳。怒っているのか、熱が支配しているのかわからなかった。
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