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偽りの私たちが零す涙は【保科宗四郎】

第7章 仮契 〜甘契〜


透明な液体が溢れる先端に舌を伸ばして、震えながら甘く絡めた。

「澪ちゃん…息荒なっとるやん。震えとるし、余計気持ちええわ…」

軽く後頭部を押されて副隊長が口内を侵食する。これ以上は無理と、太腿を軽く叩きながら見上げた。すると、後頭部から手を離し両手で頭を持って、軽く腰を揺らした。

副隊長のモノがゆっくりと口の中から抜けて、また奥まで入る。

「ん…ええよ、そんまま歯ぁ立てんといて…」

口いっぱいに広がる彼の熱と匂い…苦しいはずなのに私の身体は熱くなって、下腹部がキュンキュンと疼く。

軽く声を漏らしながら息が荒くなっていく副隊長は、頬を少しだけ赤くしていた。きっと、浴室の熱と体温のせいだろう。照れているわけではない。

止めなきゃいけないのに、私の身体はただ副隊長にされるがままになっていた。

「澪ちゃん…激しくしてええ?……イきたい」

答えることも出来ないのでただ見つめていると、薄く開いた瞳が鋭く光って熱を宿していた。目が合うと彼は肯定と受け取ったのか、腰の動きを早めていく。

苦しい…たまに喉に当たる違和感に軽く嗚咽が漏れてしまう。それでも必死で応え続けた。

こんな時にふと思い出してしまう。この人のこの顔を知ってる人がたくさんいるんだ…と。

「澪ちゃんっ…っ、はっ……くっ!」

荒い息遣いと掠れた声は大きくなっていき、口に広がる熱に顔を歪ませた。口の中に出すことはないんじゃないか…と思いながらも、必死に喉の奥へと追いやる。

しゃがみ込み、浴槽の縁に肘を掛けて俯きながら、肩で息をする副隊長を見つめる。浴室には2人の荒い呼吸だけ響いていた。
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