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鬼滅~甘い恋の話~時透無一郎、冨岡義勇★R18

第100章 期待〜時透無一郎 冨岡義勇【R強強】


義勇は、気が付けば足が勝手に動いていた…。

もう誰にも止められなかった。

「ゆきのところへ…」

彼女は今、時透の屋敷にいる。

自分を拒絶し、別の誰かを選んだはずの彼女。
だが、あの石の塔に残された痕跡が彼女のものだとしたら、まだ期待してもいいのか?

辛い目に遭い、行き場をなくして、かつて自分が送った手紙を頼りにあの川辺を訪れたのではないか。

そう考えると、義勇の胸は張り裂けんばかりの心配と、抑えきれない逢いたい気持ちが高鳴った。

いけないことだとは分かっている。

彼女の選んだ道を尊重すべきだと、理性が必死に止めようとする。

しかし、溢れ出す感情に支配された足は、決して止まらなかった。

義勇は、川辺を全力で駆け抜けた。

ーーー

ちょうどその時、月明かりの下で静まり返る街を巡回していた不死川は、ただならぬ速度で走り去る影を捉えた。

木の間をすり抜けるようにして、必死に駆けていくその男の羽織に見覚えがあった…。

「…冨岡ァ?」

不死川は思わず足を止め、眉をひそめた。

いつもは感情を滅多に表に出さず、水のように静かな男が、形振り構わず死に物狂いで走っている。

任務に向かう様子でもない。

ただ事ではない気配を察した不死川の目つきが鋭くなった…。

「おい、何処に行くんだァ? あんな急いで…」

普段の義勇からは想像もつかないその異様な様子に、不死川の胸に言い知れぬ不審と胸騒ぎが湧き上がる。

放っておくわけにはいかない。

不死川は気配を殺し、音もなく義勇の後を追った。

「この方角…?時透の屋敷の方じゃねェか?」

ふと、閃く…

「まさかァ…冨岡…ゆきに、会いに行くつもりなのかァ?」

不死川は、急いで義勇との距離を詰めていった…。

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