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鬼滅~甘い恋の話~時透無一郎、冨岡義勇★R18

第89章 それぞれの夜〜冨岡義勇


辺りが暗くなってきた頃、義勇は重い足取りで屋敷へと戻った。

手掛かりは皆無…

時透は、どこに行ったんだ…

しかし、屋敷の門を潜ると、緊張感はどこかなくなっていた。

騒然としていた隠たちの動きが、妙に落ち着きを取り戻している。

「何か情報が入ったのか?」

義勇の問いに応えたのは、上空から舞い降りた彼の鎹鴉、寛三郎だった。

寛三郎が無一郎の鴉である銀子と接触し、情報を持ち帰ったのだ。

現れた銀子は、義勇の前に降り立ち羽を整えながら告げた。

「無一郎カラノ伝言? ソンナモノナイワヨ。デモ、アノ子ガ危険ナ目ニ遭ッテイル気配モナイワ。タダ帰ッテキテイナイダケ」

銀子にしてみれば、これは日常の延長に過ぎなかったのだ。

「アノ子ナラ、任務ノ途中デ雲ヲ眺メテイタリ、道ニ迷ッタリシテ数日戻ラナイコトナンテザラニアルデショウ? 今回モソンナトコロヨ。騒ギスギナノヨ…」

「そうか」

銀子のどこか呆れたような物言いに、義勇の肩からわずかに力が抜けた。

確かに、無一郎には浮世離れしたところがある。

柱合会議の最中ですら意識がどこかへ飛んでしまう…
それは、俺もわかっている…

だが、あいつはゆきと出会ってから変わったそこまで、浮世離れしているとは思えない、何か命の危機はないが問題が生じたことは確かだろう…。

しかし、最悪の事態、鬼との交戦や深手を負っている可能性が低いと分かり、義勇は微かな安堵を覚えた。

その時、一人の隠が義勇に歩み寄る。

「柱、おかえりなさいませ。ゆき様はまだ、奥のお部屋でお休みになられています」

「わかった。…そのままにしておいてくれ」

短く答えると、義勇は自室へと向かった。

無一郎が戻らぬ夜…今夜は、この屋敷でゆきの面倒を見ようと決め、自分も疲れた体を休める為にゆきが眠る部屋へを歩みを進める…



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