第15章 俺のもの、僕のもの 冨岡義勇【R18強】時透無一郎【R18】
体を洗うのは大変だったが、何とか洗えてお風呂につかれた。
扉の外から声がしてきた。
「お風呂のお手伝いなら私がやります」
「俺が居るからいい」
「そんなのおかしいです。」
「本人が俺が良いと言っている」
「私は嫌です!」
百合さんと義勇さんが言い争ってるんだ…普通おかしいよね。男の人にお風呂入るの手助けしてもらうって。
でも、私は百合さんがちょっと怖いの…何かされるんじゃないかって…。
バンっ!!
勢いよく扉が開いた。
「何でこんな事義勇さんに頼むの?」
涙をいっぱい溜めた百合が立っていた。
「誘惑してるの?」
「ち、違います…」
「じゃあ何?」
「……」
湯船に浸かるゆきに近づき骨折してる右腕を思いっきり引っ張った。
「うっっ!いっ…」
あまりの激痛で湯船に沈んでいった。
「何してるんだ!」
義勇が慌てて湯船から引っ張り出した。痛さで動けなくなっているゆきを湯船から抱き上げた。
「わ、私そんなつもりじゃ」
大変な事をしてしまった事に気づいた百合は後退りした。
「どけ!邪魔だ」
義勇は、裸のままのゆきを抱き上げて部屋に連れて帰った。
濡れた体を急いで拭いてあげた。
透き通るような白くて綺麗な肌だった。その間もしきりに右腕が痛いと悶え泣いていた。
浴衣を着せてあげ、しのぶに貰っていた鎮静剤の事を思い出した。
飲み薬でひょうたんに入ってあった。飲まそうとするが上手く飲めないようだった。
義勇は自分の口に含んだ。そして口移しでゆきに飲ませた。
口移しだと飲みやすいようでしっかり飲んでくれた。
三回ほど飲ませた所で、落ち着いてきたようだった。
「痛みはましになったか?」
「は、はい…」
まだ息は荒かったがだいぶ落ち着いていた。
「あの百合がすまない」
「いえ…私が悪いんです。婚約者が他の女性の入浴の手伝いなんてして欲しくないですもの」
義勇は、乱れたゆきの髪を撫で始めた。
「俺は婚約者だとおもってない」
真剣な目で見てくる…
「し、師範…」
「また名前でよんで欲しい…」
以前言われた。夜は名前で呼んで欲しいと。
困ってしまい目を逸らした。義勇の手が頬に伸びてきて私の顔を包み込む。目を逸らせなくしてくる。
悲しそうな目をしたまま唇を重ねてくる。動けない拒めない…。
