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鬼滅~甘い恋の話~時透無一郎、冨岡義勇★R18

第85章 霞柱邸〜時透無一郎【R強】


義勇の屋敷へ足を踏み入れると、誰か来ている様子だった。

道場を覗くと、馴染みの顔である三田の姿があった。

「あっ、ゆき!様子を見に来たんだよ」

三田は安堵の表情を見せつつも、隊士宿舎の不穏な現状を伝えてくれた。

一部の隊士たちの間で、まだゆきと水柱が不適切な関係にあるという心無い噂が、いまだに燻り続けているという事だった。

「俺も耳にするたび弁解して回ってるんだが、なかなかね…。今はまだ、宿舎には戻らない方がいい」

申し訳なさそうに語る三田に対し、傍らで聞いていた義勇は、感情の読めない声で短く告げた。

「面倒をかけるな、三田」

三田は、また報告をしに来る事を約束して隊士宿舎に戻って行った。

道場に二人きりになった…。

無言のまま二人は稽古の準備を進める…義勇の視線がふと、ゆきの首筋に向いた…。

白い肌に浮かび上がる、無一郎がつけたであろう赤い跡…。


  「昨夜はよく眠れたか?」

唐突でいて、どこか嫌味のある問いに、ゆきは一瞬、心臓が飛び跳ねるのを感じたが、すぐに平静を装い「はい」とだけ答えた。

その返事が、義勇の胸の奥に燻る嫉妬の火に油を注いでしまった。

「始めるぞ」

稽古が始まった瞬間、義勇の放つ空気が一変する。

竹刀を振るう手に込められた、いつも以上の速さと重圧…。

それは無意識に漏れ出した、嫉妬心と苛立ちの現れだった。

ゆきは、義勇の圧倒的な力に押し込まれ、息を乱しながらも必死に食らいついていく。

無一郎に熱く上書きされた身体は、いま義勇の激しい剣筋に、翻弄されていく…。

「全然動けてないぞ!遅すぎる!」

容赦なく義勇の竹刀がゆきの背中や、足に当たる…

「何をしている?遅すぎて話にならん…」

また義勇の竹刀がゆきの肩や胴に入る…。

「ハァハァハァ…」

「何だ?もう息が上がっているのか?」

次の瞬間竹刀がゆきの首筋ギリギリに入った…

「こんな所に跡なんかつけるから…次の日の稽古に支障が出るんだ。一晩中寝てないんじゃないか?だから動きも鈍い。」

ゆきは、慌てて首元を隠した。

「休憩だ…」

義勇は、そう言い残して道場から出て行った…。

道場には、ゆきの激しい息遣いだけが響いていた。

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