第69章 淫らな六つの夜〜時透無一郎 冨岡義勇 不死川実弥【R強強】
次の日朝早くに、義勇は目を覚ました。
抱き締めていたはずのゆきの姿が無い、慌てて起き上がると、ベッドの端で座りながら膝を抱えて眠るゆきの姿があった。
「ゆき!?なぜそんな所に」
義勇は、慌ててゆきの側に行き体を触ると体は冷たく冷えていた。
その反動でゆきは、目を開いた
「なぜそんなところで寝ている風邪を引くだろう?」
慌てて抱きしめるとゆきは、反射的にすぐに離れ義勇に向かって訴えた
「義勇さん!本当に困ります…こんな所見られたら…」
「すまない…蝶屋敷のものが起きる前にここを出るから安心しろ」
「ごめんなさい…義勇さん…やっぱりこういう事は、無一郎くんとゆっくりしていきたいんです…だからもう…」
またお前は、そうやって俺を拒絶する…俺はお前が、愛おしくて堪らないのに…せめて時透が居ない間だけでも側にいさせて欲しい…だが、そんな事…俺が素直に言える訳がない。それに今まで散々嫌いなふりをしてきた今の俺の行動が、ゆきには理解しがたいだろうな…
「わかった。だが、まだ諦めたわけではない。今夜、また練習に来る」
「義勇さん!?」
義勇はそう言い残し部屋を去った。
一人残されたゆきは、力なくベッドに座り込んだ。
義勇に抱きしめられると、確かにその温もりで一瞬だけ恐怖が薄らぐ感覚はある。それに今のこの状況にいっぱいいっぱいで、山賊の事を思い出す事も減った。
けれど、義勇を受け入れようとするたびに、心の中にいる無一郎の存在がそれを強く押し留める。
義勇さんの優しさに甘えてはいけない…
私には、無一郎くんがいるのに
確かに毎日抱き締めて貰い眠れば安心して眠れるだろうし山賊への恐怖もなくなる…
しかし…
目覚めた時に義勇の腕の中にいたゆきは、無一郎への罪悪感でいっぱいいっぱいになり慌てて義勇から離れて膝を抱いてベッドの隅で、座っていたのだった。
あの忌まわしい記憶を一刻も早く消し去りたい気持ちと、無一郎への罪悪感の狭間でゆきは、藻掻いていた…。
しのぶさんに言われた言葉も引っかかり頭の中が混乱して自分を見失いそうだよ…無一郎くん…早く帰って来て…
会いたいよ…