第64章 快楽に酔う〜時透無一郎【R強強】
ふすまの外を流れる静かな時間とは裏腹に、部屋の中では無一郎の容赦ない攻めが続いていた。
陽光に透ける無一郎の長い髪が、激しい動きに合わせて激しく揺れ、その毛先がゆきの肌をくすぐる。
しかし、その甘い刺激を上書きするように、内側から突き上げられる強烈な衝撃が全身を貫いていく。
「ねぇ、早くもっと欲しいって言いなよ…? さっきより、ずっと熱くなってるよ」
無一郎は吐息を漏らしながら、さらに深く、一番奥の敏感な場所を突くように腰を動かした。
逃げ場を塞ぐように重ねられた無一郎の体温が、ゆきの思考を真っ白に塗り潰していく。
無一郎の指が、ゆきの開いた太ももを強く掴み、指先が食い込む。
普段のどこかふわっとした無一郎からは想像もできないほど、その独占欲は生々しく、荒々しかった。
視線を逸らそうとするたび、無一郎は強引に顎を戻し、瞳の奥まで覗き込んでくる。
「あっ、…むい、ちろう…くんっ!」
名前を呼ぶ声さえも、突き上げられる衝撃で細かく途切れる。
「いいよ、もっと呼んで…君の声で、頭の中いっぱいにしてよ」
無一郎は満足げに口角を上げると、さらに速度を上げた。
結合部からは、衣類が擦れる音をかき消すほどの、秘めやかな水音が響き渡る。
義勇の面影が一瞬だけ脳裏をよぎる。
けれど、それを追い払うように無一郎の指がゆきの胸元を愛撫し、快感が再び意識をここへと引き戻した…。
「他の誰かのことなんて、考える余裕ないでしょ?」
無一郎はすべてを見透かしたような瞳で囁き、耳たぶを甘噛みした。
その声に心臓が大きく跳ね、身体が勝手に無一郎を求める。
「ほら、自分から締めて…本当は、もっと深く欲しがってるそうでしょ?」
無一郎は一度動きを止め、ギリギリのところで腰を据えた。
快楽の絶頂を目前にしてお預けをくらったゆきの身体が震え欲求に忠実な声を漏らした…。
「まって、止めないで…っ」
「止めてほしくないなら、言えるよね? 君が、僕にどうしてほしいか」
汗ばんだ無一郎の額が、ゆきの額に触れる。
潤んだ目で無一郎を見上げれば、そこには幼さを脱ぎ捨てた一人の「男」になった無一郎がいた。
もう昔に自分に甘えてきて背中をトントン叩いてあげていた無一郎くんの面影はなかった。