第64章 快楽に酔う〜時透無一郎【R強強】
障子の向こう側で、誰かが廊下を渡るパタパタという足音と、遠くで聞こえる隠の話し声。
そんな日常の音とは対照的に、部屋の中には甘く重苦しい空気と、事後の生々しい熱気が漂っていた。
無一郎は、放心状態のゆきの頬を、まるで壊れ物を扱うような手つきで優しく撫でた。
「そんなに震えて……。まだ外の音が怖い? それとも、僕にされたことが忘れられない?」
無一郎はクスクスと低く笑いながら、濡れた手拭いでゆきの肌に残る「痕跡」を丁寧に拭い去っていきます。
けれど、その動きはどこか独占欲に満ちていて、単なる手入れ以上の意味を含んでいた。
「ねえ、さっきまであんなに鳴いてたのに。今はもう、声も出ないの…?」
無一郎はふと思いついたように、ゆきの首筋に顔を寄せ、その柔らかな肌に深く鼻を押し付けた。
「君から、僕の匂いがする…誰にも見せたくないな。このまま、夜までずっとこうして閉じ込めておけたらいいのに」
無一郎は手拭いを傍らに置くと、重なり合うようにしてゆきの体を抱き寄せた。
肌と肌が密着し、逃げ場を塞がれたゆきは、無一郎の胸の鼓動を直接肌で感じて再び体温が上がるのを感じた。
「次は、さっきよりもっと…『悪いこと』、教えてあげる」
無一郎の指先が、今度は耳裏から鎖骨にかけて、くすぐるように、けれど確実に欲を煽るような撫で方で這い回る…。
「夜まで、まだ時間はたっぷりあるよ…次は、指だけじゃ足りないでしょ?」
無一郎の瞳が、昼間の光を反射して冷たく、けれど熱を帯びて輝いている。
「もう一度、さっきみたいに…僕の名前を呼んで。今度は、外の人に聞こえるくらい大きな声で…」
ゆきは、顔を真っ赤にして無一郎を見た。
「もういいよ…無一郎くん…」
そんな事を言いながらも自分がすでに、濡れているのがわかる…身体は続きをしたいって言ってるのがわかる…だけど…こんな事をするために義勇さんは三日間のお休みをくれた訳じゃない…
無一郎は、手拭いを桶のなかに投げ入れた。
「君はさっき気持ちよくなって満足したかもしれないけど僕は、火照ったままでおさまりきらない…すぐにでも入れたいんだけど?」
無一郎は、ゆきの上にまたがりながら隊服のベルトを緩めていく…
「無一郎…くん…」