第59章 寒い日の贈り物〜時透無一郎 冨岡義勇
時はもう日が暮れる前になっていた。
ゆきは、まだ無一郎に抱きしめられていた。
「無一郎くん…隊服も汚れているしそろそろお風呂にでも入ってきたら?」
無一郎は、じーっとゆきを見つめてきた。
「な、なに?」
「お風呂は、一緒に入るよ?入りたくなったから誘ってるの?」
ゆきは、慌てた
「いや…違うの。一人の方がゆっくり入れるよ!」
「何言ってるの?決まり!お風呂行くよ」
手を引かれゆきは、お風呂場に連れて行かれた。
だが、その途中屋敷の隠が話しかけてきた。
「ゆき様水柱様の屋敷の隠が今玄関に来ていてゆき様にお会いしたいと申しているのですが」
無一郎の顔をゆきは、見た。
「先に行ってるから後から来て」
「わかった」
ゆきは、その隠が待つ玄関に向かった。
玄関に行くといつも自分の世話をしてくれていた隠が待っていた。
「どうしたんですか!?」
「あっゆき様!体調は大丈夫ですか?」
「あ…うん。大丈夫です」
「柱からゆき様への贈り物があるんでお渡ししておきます」
大きな風呂敷に包まれた何かを渡された。
「何かな?」
その場で風呂敷を開いた
風呂敷を開くと中には、桜色の羽織が入っていた。そして義勇が書いた手紙があった。
師範から継子への贈り物だ。これからはこの羽織を着て稽古に励め
「義勇さん…」
隠が、ゆきの肩に触れた。
「柱はこれを私に預ける時ずっとゆき様の心配をしていましたよ。」
‐‐‐‐‐
「時透の所に居るゆきへこの羽織を届けてくれ。きっと昨日冷えたから熱を出したに違いない…」
「心配ですか?」
「ああ…可哀想な事をした…もっと早く渡しておけば…」
‐‐‐‐‐
「柱は、昨夜寒い中任務にゆき様を連れ回してしまい体調をくずしてしまったと思い酷く悩んでました。」
「あのちょっと部屋までついて来てもらえますか?」
隠は、ゆきに連れられ部屋に向かった。
「このお手紙を義勇さんに届けてください。」
ゆきが、書いた手紙を胸に抱きながら隠は、義勇の屋敷に帰って行った。