第1章 恋心~時透無一郎【微R18】
次の日ーーー
鎹鴉からの伝達があり無一郎は、明日から任務に出る事になった。
その間この屋敷には、ゆき一人になる事を聞かされた。
心細いようなでも、厳しい師範と少し離れられるので、ちょっと嬉しいような複雑な気持ちに、ゆきはなっていた。
稽古も終わり二人は、向かい合って夕食を取っていた。
「あの…師範…何日くらいでお戻りになるのでしょうか?」
無一郎は、ゆっくり箸を置いた。
「なに?もしかして僕が居なくて寂しいの?」
ゆきは、焦りながら答えた
「そ、そんな事ないです!」
また怒られそうな失礼な事を言ってしまった…
「君は明日から一人で稽古を…って言いたいところなんだけど柱の誰かに稽古をつけてもらうことになってる」
「え?」
心の中で、冨岡さんが良いって強く思ってしまった。
「お館様からの計らいらしいよ」
「そうなんですか。それで…どなたのお稽古を受けられるんでしょうか?」
無一郎が、つまらなさそうな表情でゆきに言った
「誰の稽古を受けたいの…?」