第1章 恋心~時透無一郎【微R18】
いつものあれ?何だそれは…
義勇は、聞いてはいけない二人の秘め事を聞いてしまったように感じて、お館様からの用件を手早く話して屋敷を後にした。
無一郎は、ぼそっと心の声が出てしまった。
「なんか気に入らない…」
そして夜の帳が下り屋敷は静かな夜を迎えた…
無一郎の部屋では、ゆきが落ち着かない様子で師範の無一郎の事を待っていた。
引戸が開く音がする…。
肩をわずかに揺らしながらゆきは、無一郎の方を見た。
「何?その不安そうな目は?」
不機嫌そうな表情で、無一郎が部屋に入って来た。
「べ、別に不安そうな目はしてないです…」
無一郎は、ゆっくりとゆきとの距離をつめてくる。
部屋には、【いつもの】をするために布団が一式敷かれていた。
そこに、倒れ混む形で無一郎は、ゆきに覆いかぶさった。
「何かムカつく…」
ポツリと呟きゆきの胸の上に顔を埋めた。
「背中トントンしてよ」
あれとは背中を、トントンして寝るまで無一郎の側にいる事だった。
ゆきは、無一郎より五つ歳上だったので無一郎は甘える事が度々あった。
背中をトントンしてあげているうちに、師範の寝息が聞こえだした。
起こさぬように、私の上で眠る師範からそっと逃れた。
「これ、いつまでたっても慣れないな…師範と密着しすぎで…でも、眠っている時はいつまでも弟みたい…」
そのままゆきは、急いで部屋を後にした。
外はすっかり真夜中、闇の中に綺麗な月が眩しいくらい輝いている。
ふと今日稽古をつけてもらっていた庭を見た。
義勇に、抱き抱えられた事を思い出したら胸がなんだか高鳴った…。
「はぁ…またお会いしたいな…やっぱり素敵だったな…冨岡さん…」