第51章 愛おしい四日間〜冨岡義勇【R強強】
俺が肩に手を回しても拒ばなかった、ずっと震えていた。
「あの…助けてくれてありがとうございます」
「ああ」
よほど怖かったのだろう
見るとゆきの体は止まることなく震えていた。
「まだ怖いか?」
ゆきは、不安そうな顔で俺を見てきた。
「はい…感触が残っていて怖くて…肌に触れられた感触が」
義勇が、思わずゆきを抱きしめた…。
「俺の感触に変えればいい…」
「ぎ、義勇さん?」
「今夜は抱きしめさせろ…時透が帰ってきたら俺の感触を時透で消せばいい」
ゆきは、義勇から離れようとした。
「それは、私ずるくなっちゃいます駄目です…」
「じゃあまた二人だけの秘密にしよう…言わないからこのままでいろ。」
ゆきが大人しくなった。
布団は、二組あるが俺の布団にゆきを招き入れた。
黙って入ってくれた。
いけない事をしている。無一郎くんを裏切っている…。わかっているけど今夜はあの隠の感触を忘れたかった。
それに…無一郎くんみたいに、義勇さんに触られるのは安心するんだと改めて実感した。
その事実を知ってしまった…。
俺の隣で安心してすやすや眠るゆき…愛おしくて可愛い。
唇に触れてみた…。欲しくなってくる。気が付いた時には唇を重ねていた。
ゆきは、起きなかった。
浴衣の胸の膨らみに触れてみた…。浴衣の間から手を這わして直に触った。
俺の鼓動は高鳴った。ゆきの浴衣を開くと胸が溢れ出した。
胸を指先で触っている時にゆきが目を開いた。
「んっ…」
ゆきと目が合った、俺がゆきを組み敷いた体勢である事にまず驚いている様子だった。
「ぎ、義勇さん?」
だけど…やはり今夜…お前が欲しかった。
「先程の礼が欲しい」
「御礼?」
「隠から守ってやった…一度お前が素の状態で…熱も出ていない、薬も飲んでいない、酒も飲んでいない。そんな状態のお前を…」
義勇は、真剣な目で見つめてきた…。
「抱きたい…」
ゆきは、固まった…。そんな事…
「む、無理です。出来ないです…嫌です」
義勇は、今まで黙っていた事を言う決意をした。
「時透は今もお前の幻覚を時々抱いているぞ…あの薬を飲まされている」