第50章 嫉妬の果て〜冨岡義勇 時透無一郎【R強】
「屋敷の隠達や隊士達には、しのぶさんから説明がされていて食事などは部屋の前に用意してもらえます。私は屋敷うろうろしてますが、人と接触しないようにしてるので大丈夫です。」
義勇は、熱のせいかぼーっと話を聞いていた。
「隊士の稽古ですが…無一郎くんが代わりに引き受けてくれるそうであちらの屋敷にみんな通うそうです」
「わかった」
「お薬がまだ飲めてないので今飲んでください」
義勇は、ゆきが手に持っている薬の瓶を見て言った。
「飲ませてくれ」
「あっはい!わかりました」
ゆきは、義勇を支えながら座らせた。瓶を口元に持っていこうとした。
すると瓶を、義勇に持たれてゆきの口の中に注がれた。
ゆきは、びっくりして飲み込まずに口に含んだままにした。
「それを口移しで飲ませてくれ…」
義勇は、ゆきより顔を低い位置に寄せた。
どうしよう…これこぼしちゃったらもう薬ないよ。
ゆきは、意を消して義勇の両頬を両手で包んだ。
口移しで少しづつ流し込んだ。
もう終わったのに義勇は、ゆきの頭を片手で抑えて唇を、外さなかった。
そのまま抱きかかえられて布団に倒れ込んだ。
「んっ…やっ…やめ」
やっとの事で、振りほどけた。
義勇は、切なそうな表情でゆきを見てくる。
「た、体調悪いのにふざけないでください!」
慌てた表情で、ゆきは口元を押さえている。可愛い…
とても可愛い…
熱のせいか俺の心の声が出てしまった。
「可愛い…」
「えっ!?」
ゆきが、真っ赤になって俺の発言に困惑していた。
また熱のせいか…俺はどんどん言葉がでてくる
「こっちに来い」
「義勇さん?」
ゆきが、戸惑っている。
「お前に触れたい…」
じりじりと義勇が、這うようにしてゆきに近づいてくる。
時透にずっと嫉妬していて気が狂いそうだったが今日から四日間もお前を独り占めに出来ると思うと…今は嫉妬心が消えている…。
熱でおかしくなったか?俺は?
義勇さんは這って壁まで私を追い詰めた。そして結んでいた髪を片手で解いた…。
無一郎くんとは、また違った長い髪…初めて義勇さんが髪を解いた姿を見た…。
義勇さんはそのまま私の胸の上で気を失った。