第45章 色が消えた世界〜冨岡義勇【R強強】
ゆきが、部屋を出てすぐに甘露寺が無一郎に詰め寄った。
「無一郎くん!ちょっとゆきちゃんに素っ気なくない?何でお話しないの?」
「えっ?別に普通だけど?」
「全然普通じゃないよーそれに見た?ゆきちゃん…痩せちゃったし元気ないし全然食べないし…」
無一郎は、黙ったままだった。
「喧嘩でもしちゃったの?」
甘露寺が、心配そうに無一郎を見ている。
すると凛が、急に「ちょっとゆきお姉様心配なんで見てきますね」
と、言い残し出て行った。
「無一郎くん…あの子の事いったいどう思ってるの?」
「どうって、元継子なだけですよ」
「でも、今日だって連れてきちゃって…」
「勝手に着いてくるから仕方ないじゃないですか?」
甘露寺は、申し訳なさそうに義勇の方をちらっと見ながら続けた。
「最初は、ゆきちゃん冨岡さんと良い仲なのかな?って思ってたんだけど記憶なくしたり色々あって無一郎くんが好きなんだって私気付いたのよ。」
無一郎は、無言で目の前のご飯を食べ始めた。
「聞いてる?無一郎くん?」
その時…
「キャー!!」
大きな叫び声が、聞こえてきた。三人は、慌てて声の方に向かった。
「あんたなんか大嫌い!」
凛の大声が聞こえた。
廊下で、ゆきと凛が取っ組み合いをしていた。ゆきは、お酒を飲んでしまっていたせいでフラフラだった。
慌てて三人は、ゆきと凛を引き離した。
ゆきは、泣きじゃくっていた。
「ゆきどうした?何があった?」
「ひっく…ひっく…うっ…」
泣くばかりで何も答えなかった…。
凛は、乱れた着物を直しながら
「気分悪くないかな?って思ってお水飲ましてあげて、ちょっとお話したら急に泣いて怒り出したんです。手を上げてくるなんて…怖い…」
義勇は、泣いているゆきを落ち着かせるために、抱きしめた。
「大丈夫だ…落ち着け」
無一郎が、凛に尋ねた…
「ゆきに何した?」
凛は、無一郎の耳元でそっと教えた。
「無一郎くんに抱かれた事を言いました」
‐‐‐‐‐
ゆきが、廊下を歩き庭に出ようとしていた時に凛が後ろから来た。
「大丈夫ですか?これお水飲んでください。」
「ありがとう…」