第5章 情が消える時〜時透無一郎、冨岡義勇
無一郎と違って大きくて力強い腕にぐっと抱きしめられた。
ゆきがすっぽりと収まっている。
「まだ寝ていろ。」
耳元で聞く義勇の声があの夜を甦らせた、身体が熱くなる。
二人が、見つめ合うかたちになった時
義勇の顔が近づいてきた。
そして…黙って口づけをされた。
何度も何度も
舌を絡めてくる深い口づけ、、、
どうしたらいいかわからなくなったゆきに義勇は気づいた。
「そのままでいい。俺に委ねろ」
がむしゃらではなく、大人な口づけ。顔に触れている手でさえ優しく大人の包容力がある。
どれくらい口づけをしていたのだろうか、身体がどうにかなりそうなくらい義勇を欲しくなった。
「義勇さん、、私もう、、」
ゆきが義勇の隊服に手を伸ばそうとした手をぎゅっと握られた。
「今夜はコレだけだ」
「え?」
「怪我人に無茶はできない」
そう言って小屋の外に出ていった。
外で義勇は、頭に手を当てて困った顔をした。
[危なかった、、。あのまま抱いてしまうところだった。頭を冷やそう。]
義勇は頭を冷やすために小屋から離れた。
ゆきは足の怪我もあってか、まだ身体が熱く火照っていた。意識も少しハッキリしない。夢の中にいる感じだった。
しばらくして足音が近づいてきた。
義勇さんが戻って来たんだ。