第5章 情が消える時〜時透無一郎、冨岡義勇
鬼が出たと言う村には、すでに冨岡義勇が着いていた。
「冨岡さん遅くなりました。鬼とは遭遇しましたか?」
「先ほど一体倒した。もう一体どこかに居るはずだ。」
二手に別れる事になった。
「時透は素早い一人で動き回り鬼を見つけてくれ。ゆきは俺と共に、時透とは別ルートを調べる。」
無一郎が、不満を訴えようとしたのにゆきはすぐに
「はい!」と義勇に答えた。
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「なんで僕が一人で、、、。」
ぶつくさ言ってる間に鬼と遭遇した。むしゃくしゃしていた事もありあっさり頸を切れた。
無一郎は義勇とゆきの向かった方向に移動を始めた。
一方義勇達も鬼に遭遇していた。もう一体居たのだ。すでに義勇が頸を斬っていたのだが、不意打ちをくらったゆきが太ももを負傷していた。
「手当するからベルト外してズボンさげてもいいか?」
痛みで気が遠くなりそうなゆきは頷いた。
「んっ痛、、、」
「痛むか?」
「、、、はい」
冨岡義勇〜side
こんな事を考える俺はどうかしていると思うが、手当をしているゆきの足は白くとても綺麗で、痛がるゆきにドキドキしてしまって、そんな自分が恥ずかしかった。
「今夜移動はちょっと無理そうだから近くに空き小屋があるそこで、夜を明かそう」
「師範に、鎹鴉を飛ばさないと…心配します。」
「わかった」
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無一郎の元に鎹鴉が現れた。
「ゆき負傷 トミオカギユウ 鬼ゲキハ
フタリハ夜明マデ待機シ 帰還スル」
「怪我?それと何で夜明けまで待機?」
「鎹鴉二人の場所に案内してよ」
「カァ」
ゆきはすっかり眠ってしまった。
義勇は、隣で寝転びずっとゆきの髪を撫でていた。ゆきには、義勇の羽織が寒くないようにかけられていた。
富岡義勇side〜
屋敷で稽古していた日が懐かしい。それにあの夜の事もずっとずっと覚えてる。
こうやって隣にいれるなんて。
ゆっくりとゆきの目が開いた。
義勇は慌てて目を逸らした。
「だ、大丈夫か?」
「すいません。安心して寝てしまいました。」
起き上がろうとするゆきを義勇は抱きしめた。