第5章 情が消える時〜時透無一郎、冨岡義勇
今好きって…
「あの…私の事をですか?」
少しゆったりとした、隊服のボタンを無一郎が外すとあどけない顔とは違いたくましい身体が、あらわになった。
「照れるから、もう言わない」
顔はまだ少し幼さが残る少年だが、数々の戦いで身体はたくましく同年代の少年とは違うものだった。
ゆきの露わになった胸に優しく触れ、そこに唇を落とそうとしたその時
「あっあの…師範…今よろしいでしょうか?」
邪魔をしたのは、凛の声だった。
「はぁ……何?」
ため息を付きすごく不機嫌な声で答えた。
「先ほど鎹鴉が参りまして、任務です。」
無一郎の顔つきがすぐに、変わる…
「霞柱 時透無一郎とその継子のゆき南東の村で水柱 冨岡義勇と合流して鬼を斬れとの事です。」
「師範…早く用意しなくては」
ゆきが、無一郎に焦った表情で言った。
無一郎は、ゆきの乱れた隊服を丁寧に直してあげ、そして…愛おしげに見つめた後、優しく口づけを落とした。
急な口付けに、ゆきの動きが一瞬止まる…
無一郎は、触れたゆきの唇を親指でなぞり切なそうに見つめた後そのまま自身も、隊服をさっと着て部屋を出ていった。
色んな出来事があり混乱するゆき…
師範が…私を好き…?
今から任務。それに義勇さんも一緒だなんて。
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屋敷の玄関では、もう身支度を整えた無一郎の姿が、あった。
「師範用意できました。」
「じゃあ行くよ」
ゆきの顔を見て微笑んでくる無一郎…ゆきは、複雑な気持ちのまま無一郎のあとを付いて行く…
二人は揃って、義勇と合流する為に任務地へと向かった。