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鬼滅~甘い恋の話~時透無一郎、冨岡義勇★R18

第37章 甘い誘い…〜冨岡義勇 時透無一郎【R強】


朝日に照らされて誰かが立っていた。逆光でよく見えなかった。

誰?

見える位置に、ゆっくりゆきは歩いて移動した。

長く後ろに、一つに結った髪が風になびいていた。

こちらに、ゆっくり歩み寄ってきた。

「義勇さ…ん」

「昨夜あんな事があり家族が、恋しくなったんではないかと思い先に来て花を供えた。」

「なんで…私の気持ちが分かるんですか?」

「お前しか見ていないからな」

甘い声…青く澄んだ瞳…

「来い!抱きしめたい」

甘い誘い…

「早く…」

足が、動く…駄目だってわかっているのにあなたの甘い誘いに私は…

義勇の胸の中に飛び込んだ。

「今はご両親を、思い出して沢山泣け。俺が全部受け止めてやる」

「わぁーん//」

ゆきは、小さな子供のように泣いた。涙が枯れてしまうほど義勇の胸で泣いた。

「お父様、お母様に会いたいよ…」

俺もお前の気持ちが痛いほどわかる…。俺も蔦子姉さんや錆兎に会いたい…。


長い時間ゆきは、泣いた…。
その間義勇は、ずっとゆきの背中をさすってやった。

髪も沢山撫でてやった。



「そろそろ落ち着いたか?」

義勇は、泣き止んで静かになったゆきの顔を覗き込んだ。

「は…い」

少し残っていた涙を指で拭ってやった。

「俺を頼っていいから甘えろ」

ゆきは、申し訳なさそうな表情をした。

そんな都合が良いことばかり出来ないよ…義勇さん…。

「そろそろ屋敷に戻って稽古だ」

「はい」

ゆきは、義勇の後を追って屋敷に向かった。



木の陰に誰かが隠れていた…。

花を持った無一郎だった。

無一郎も、ゆきがきっと両親に会いたくなっているだろうと思い
花を用意してこの場所に、今到着したところだった。

花を握りしめる無一郎…

「ゆきは、何であんなに冨岡さんに甘えるんだろう…素直に…」

もしかして、君は冨岡さんに惹かれ始めているの?

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