第35章 疑い〜時透無一郎 冨岡義勇【R18】
「どうしたの二人とも?ゆき!?大丈夫?」
倒れているゆきを炭治郎は自然に抱き上げて起こしてあげた。
「時透くんはゆきの事好きなの?」
直球すぎる質問に、無一郎は焦って答えた。
「た、炭治郎に関係ないでしょ。好きかどうかなんて」
「ふーん…ゆき」
炭治郎がゆきの方を見た。
「ゆきから悲しい匂いがしたけれども時透くんの事で悩んでるからだよね?」
ゆきが下を向いた。
「時透くんは、あの凛って子を多分好きなんだよね?」
「炭治郎!?何言ってるの?違うよ」
「ゆきには、酷だと思うけど時透くんからしっかりそう言う匂いがしたよ…あの子が好きっていう」
ゆきが、無一郎の顔を見た。目が合うとすぐに逸らされた。
「やっぱり凛が好きなの…?薄々感じてたの…私に対しての感情は好きとかではないんじゃないかって…。愛おしいとかそんな感情は私に対してないんだって…無一郎くんが、凛を見る目は優しいの…私の時はいつも…その…あの…結局、体なのかなって…
炭治郎くん気付かせてくれてありがとう…」
えっ?待って…待ってよ…違う
勘違いしてるよゆき…違う 違う…違う
勝手に決めるなよ僕の気持ちを、勝手に納得するなよ!
体って…そんな…
僕はずっと…
「好きなのはゆきなんだ!好きだから体も欲しくなるんだ!」
炭治郎がにっこりと笑った。
「時透くんは、いつでも近くにゆきが居て色々見えなくなってたんじゃないかな?悪い事ばかり考えて」
ゆきの背中を炭治郎は、押して無一郎の前に立たせた。
「俺は蝶屋敷に戻るから、その前に凛って子を先に家に送り届けてきてあげるよ!」
炭治郎は、無一郎の耳元でこそっと話した。
「時透くん頑張ってね」
炭治郎は、部屋から出て行った
無一郎がゆきを恐る恐る抱きしめた
「体だけなんて思った事ないよ
ゆきが好きだから愛おしいから抱きたいんだ
体が欲しくなるんだ
って言ってるけど一瞬わからなくなったのも
本当だよ…凛と居ると心地よかったんだ…
ゆきと居るといつもドキドキする
体が熱くなる
体に触れたくなる…抱きたくなる…
凛にはならなかった
だから一緒に居て楽だった」