第31章 お仕置き〜時透無一郎【R18強】
まだ体が怠いな…だけど解熱薬を飲んだお陰で少しは楽になった。
ゆきありがとう…飲ませてくれて。
無一郎は、ゆっくり目を開いた…自分と同じ布団に温もりを感じる
ゆきが一緒に眠ってくれたんだと幸せな気持ちになった。
手を伸ばし後ろから抱きしめた。髪に触れた時に違和感を感じて、目を開いた。
頬を赤く染めて自分を見つめる凛を無一郎は抱きしめていた。
「なんで?お前?ゆきは?」
「師範昨日の夜の事を覚えていないのですか?」
無一郎は、体が痛むのもお構い無しに起き上がった。
確かに、凛が来たような気もする。高熱が出ておりまず夢か現実かはたまた、自分が何を話したのかも定かではなくうる覚えだった。
「ゆき?いない」
ふらふらしながらも無一郎は立ち上がった。凛が慌てて支えに行く。
「離せよ!」
差し伸べた手を払い廊下に飛び出した。
部屋を出てすぐの場所に浴衣姿のゆきが丸くなってしゃがんだまま眠っていた。
もう季節は冬になりつつある。かなり廊下は冷えていた。
「ゆき!?」
体に触ると氷のように冷たかった。足も素足に草履をはいたままだった。
無理もない、無一郎の看病をして一緒の布団で寝るつもりだったからだ。
まだ夜が明ける前だった、騒ぎを聞いて玄弥のお見舞いに毎日来ている不死川が現れた。
「お前らどうした?」
「不死川さんゆきが廊下で寝てて体が氷のようなんです。」
不死川は、慌ててゆきに駆け寄った。
「おい!しっかりしろ?体が、つめてぇー凍死するぞ!」
不死川は、ゆきを簡単にもちあげて温かい部屋に移動させた。
騒ぎを聞いてすぐにしのぶも駆けつけた。
〜〜〜
「時透くん部屋に戻って休んでください。怪我がなかなか完治しません。血鬼術の毒も抜けてないので夜にいつも高熱が出るのですよ」
しのぶがゆきの側にいる無一郎に怒りながら言った。
「僕は大丈夫です」
「夜中ですが冨岡さんに鴉を飛ばしました。もうじき来てくれるはずです」
「何で冨岡さんを!?」
「ゆきさんの師範ですからね。」
不死川は、無一郎を支えながら言った。
「時透しっかり休め。ほら部屋連れてってやる、あとは冨岡に任せとけ」
無一郎は部屋に連れ戻された。