第22章 大人の基準〜不死川実弥 時透無一郎【R18】
次の日、昨日の雨で道がぬかるんでいた。
「師範お世話になりました!お稽古には通うのでよろしくお願いします。」
「今日は稽古つけなくていいのか?」
「はい。今日は荷物の整理とか色々あるのですぐに不死川さんの屋敷に向かいます」
行ってしまう。行かないで欲しい…義勇は思わずゆきを後ろから抱きしめていた。
「し、師範…」
「記憶がもし、戻ったらお前は俺を嫌いになるかもしれない」
義勇が耳元でそう言った……。
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不死川邸
「何でお前らまで来てんの!?」
「だってだってー冨岡さんの継子のゆきちゃんが不死川さんのお家で生活するんでしょ?お祝いしなくちゃ」
「甘露寺…別に結婚するわけじゃないんだぞ」
甘露寺と伊黒が様子を見に沢山ご馳走を持って屋敷に来ていた。
「お前ら今日夜から警備の任務あるんじゃねーの?」
「それがそれがぁお館様が行っておいでって。しのぶちゃんとカナヲちゃんが代わりに行ってくれるの」
と言う具合にゆきを歓迎する準備が進んでいた。
ゆきは、ひたすら歩いていた。
「もうすぐ着くと思うんだけどなー」
「コッチコッチ」鴉が迎えに来ていた。ゆきは走って向かった。
屋敷に着くと甘露寺さんと伊黒さんまで私を待ってくれていた。
ご馳走を沢山用意してくれていて、お酒まであった。
4人はいい具合までお酒を飲んでしまった…
「ねぇねぇゆきちゃん。結局冨岡さんとは何も無かったの?」
甘露寺の直球の質問にゆきはお酒をこぼしてしまった。
「ごめんなさい〜大変だわブラウスになりましょう」
簡単に甘露寺に脱がされた。そんなブラウス姿のゆきを見て不死川は、看病したあの日の夜を思い出してしまった。
伊黒は、少し酔っている甘露寺に寄り添った。
「遅いし俺達は帰る」
「お、おう!」
帰る直前に伊黒に不死川は力いっぱい背中を叩かれた。
「襲うなよ」
「はっ!?何言ってやがるバカじゃねーの」
ゆきが机の上に散らかったコップやお皿をせっせと片付けていた。
「疲れただろ?俺が片付けとくから風呂入って寝ろ」
不死川の好意に甘えてゆきはお風呂に向かった。
「はぁ…2人っきりとかマジきついんだけど…冨岡どうしてたんだろう」