第21章 記憶の誰か~冨岡義勇 時透無一郎【R18】
私は今ずっと焦がれていた義勇さんに抱かれている。とても幸せ
な、はずなのに何か違う気がする。こんな事したらいけないような気がする。
まただ…また霞柱の時透さんの顔が思い浮かぶ…
こんな、時に何で?
そんな事を考えていると急に義勇の動きが激しくなってきた。
「何を考えている。今は俺に集中しろ」
座った姿勢で抱きかかえられる様にして義勇に激しく突かれた。
義勇に、正面からきつく、しがみつく様に抱きついた。
気持ちよさで意識が遠のきそう…だけどまた浮かぶのはあの人の顔…
義勇がそのまま抱きかかえ布団にゆきを寝かせて
ゆきが果てるまで突き続けた。
「あっ…私、もう…」
そのままびくっびくっと2回ほど腰が浮き力無く体の力が抜けた。
義勇はゆきの頭を優しく撫でた。
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次の日
朝目覚めると義勇は隣には居なかった。用意をして道場に向かうといつもと変わらず義勇は正座をして目を閉じていた。
ゆきも慌てて隣に座った。
「さぁ稽古をはじめようか」
ゆきが返事をしようと義勇の方を見た。目が合うと急に昨夜の事が頭に浮かびすごく恥ずかしくなり。
赤くなってしまった。
「どうした?」
「い、いえ…」
俺の事を見て恥ずかしそうに照れる仕草が可愛すぎる。
愛おしい…
心が満たされる
そんな時に玄関から声がしてきた。
「義勇さーん!」
義勇が急に立ち上がった。
「えっ?なぜあいつが帰って来たんだ?」
ゆきが、立ち上がった。「私見てきますね」
義勇が手を引いた。
「お前はここで素振りの稽古をしておけ。」
そう言って道場を出て行った。
玄関に向かうと百合が立っていた。
「お館様に実家でしばらく暮らせと言われただろ?」
「淋しくて戻ってきました…」
「とにかくここには入れられない。帰れ」
百合が取り乱した。
「あの人記憶障害なんですよね?なぜまた義勇さんと暮らすんですか?私は婚約者です!一緒に居て当たり前じゃないですか?」
取り乱す百合をなんとかなだめて実家に帰ってもらった。
道場に戻ると素振りをするゆきの姿があった。
「すまない待たせたな」
ゆきの動きが止まった。
「師範には…婚約者がいたんですね」