第21章 記憶の誰か~冨岡義勇 時透無一郎【R18】
次の日柱合会議があり招集がかかった。もちろんゆきも呼ばれた。
産屋敷邸に着くと不死川がいた。ゆきはこの前のお礼が言いたく不死川の元へ向かった。
「不死川さん。先日はありがとうございました」
「お、おう!元気そうだな」
不死川はゆきには態度が辿々しい。伊黒はそれに気づいた。
「不死川は、冨岡の継子となんかあったのか?」
「は、はぁ!?あるわけね〜だろ!」
「ますます怪しい…」
不死川は真っ赤になりながらぼそっと話した。
「やっぱかわいいよなぁ…」
義勇の元に走りながらゆきは戻った。
「もう不死川といいのか?」
「はい!お礼言いました」
「そうか」
その2人の前に無一郎と凛が現れた。立ち止まる義勇をゆきは、不思議そうに見上げた。
無一郎がゆきの前に来た。ゆきは、驚いて後退りした。
「もう体調はいいの?」無一郎がゆきの頬に手を伸ばしながら聞いた。
頬に急に触れられてゆきは赤くなった。
何この胸のドキドキは…。この方は昨日義勇さんが教えてくれた、霞柱の時透無一郎さんよね。
じっと見つめて視線を離してくれなかった。
すると凛が無一郎の腕を組み横から出てきた。
「ゆきお姉様忘れたって本当なんですね?驚きました。」
な、何この感じ…嫌な感じ…頭が痛い、胸がギュッと痛くなる何このチクチクする胸の痛みは…
勝手に涙が流れていた。
「あれ?何これ?何で涙が」
ゆきが慌てて涙を拭って落ち着こうとしていた。無一郎がゆきに手を差し伸べようとした時に義勇が、先にゆきを抱えた。
「ちょっと具合が悪そうなので部屋で休ませてくる」
ゆきは、屋敷の中の客間に運ばれた。
「会議が終わるまで少し横になっておけ」
義勇が優しく頭を撫でてくれた。「は、はい」
「無理に思い出さなくていい」
義勇は、ゆきに優しく口づけをした。ゆきは照れながら真っ赤になっている。
可愛い、反応が愛らしくて愛おしい。絶対に時透に取られたくない…
今ゆきは、俺に絶対の信頼を寄せている。それに俺の事が好きだ。
「後で迎えに来る」「はい!」
もう一度口づけをして部屋から出て行った。