第20章 2人とは違う優しさ〜不死川実弥【R18】
その頃無一郎と義勇は必死にゆきを探していた。
無一郎は自身を責めた。
僕があんな冷たい態度取ったからだ。どこに行ったんだよ…。
義勇もゆきを探した。
昨日泣き腫らした目をしていたし様子がおかしかった。無理にでも一緒に居てやるべきだった。
無一郎がふと木の側に落ちていた紙飛行機を見つけた。
「これ…昨日ゆきが、拾ってた僕が折った紙飛行機…」
その時不死川の鎹鴉が無一郎の元へ来た。
「ハヤクヤシキニコイ。イツマデマタセルンダ!トミオカデモヨイノデシキュウ、シナズガワテイ二キタレ!」
「何だ?とりあえず不死川さんの屋敷に行ってみよう」
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不死川はゆきの寝顔を見ながら後悔していた。
「はぁ…ごめんなぁ、弱ってるやつにやることじゃないよな…最低だよな」
時々寝返りをうって苦しそうにするゆきに冷たいタオルでおでこを冷やしてやった。
「本当にごめんなぁ…冨岡の継子…」
ゆきは、目覚める気配がなさそうだった。
「それにしても、かわいいよな…時透とはどんな関係なんだ?あいつが鬼から助けて継子にしたけどお館様が冨岡の継子にしただろ?で、今はまた時透の屋敷で生活してて…時透とは姉弟的な感じなのか?わかんねー」
そんな事を考えていると玄関から音が聞こえてきた。
「やっと来たか、どっちだ冨岡か?時透か?」
玄関の戸を開くと、無一郎が立っていた。
「不死川さん!鴉からすぐ来いって!もしかして」
息を切らして必死な無一郎だった。
「今朝お前に鴉を飛ばしたのに何で無視すんだよ?冨岡の継子が道で高熱で倒れてた」
無一郎は焦った様子で勝手に屋敷に上がってきた。
「不死川さんゆきはどこ!?」
「奥の部屋だ。お前姉貴と思ってるんだろ?案外優しいとこあるんだな?」
無一郎は立ち止まって不死川の方を見た。
「不死川さん。ゆきの事姉だとは1度も思った事ないです。勘違いしないでください。」
「お、おう…」
不死川は無一郎の圧に圧倒された。
「姉貴と思ってないなら何でこんな必死なんだ…よ…ってそうか!あいつもしかして…女として見てるのかよ?まだ14だろ?子供だろあいつ…」
不死川は無一郎の後を追いゆきの眠る部屋へ向かった。