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鬼滅~甘い恋の話~時透無一郎 冨岡義勇★R18

第103章 川辺の再会〜冨岡義勇【R強強】


義勇の重みから解放され、ようやく冷たい秋の空気がゆきの肺に流れ込んできた。

どれほどの時間が経ったのだろう。先ほどまで、義勇はゆきを組み敷いたまま、幾度も髪を撫で、傷ついた頬に何度も口づけを落としていた。

時にはその熱い指先で、痺れたように震えるゆきの唇をなぞり、その都度ゆきの思考は真っ白に染め上げられた…。

「日が暮れてきたな…そろそろ、帰ろうか」

低く落ち着いた義勇の声に、ゆきはハッと我に返る。

流されそうになっていた心を必死に繋ぎ止め、義勇と目を合わせないようにしながら、慌てて身体を起こした。

地面の枯葉がカサリと切ない音を立てる。

衣服の乱れを直すゆきの指先は、まだ自分のものとは思えないほど小刻みに震えていた。

無一郎への罪悪感と、義勇の熱に侵された身体の火照りが、胸の奥で複雑に絡み合う。

気まずい沈黙を破ろうと、ゆきはうつむいたまま消え入りそうな声で切り出した。

「あ、あの…今日のことは…」

無かったことにしてほしい。

そう告げようとした瞬間、ゆきの言葉は再び遮られた。

不意に影が差したかと思うと、義勇が至近距離から、ゆきの唇にそっと自らの唇を重ねてきたのだ。

驚きに言葉を失い、目を見開くゆき

義勇はゆっくりと顔を離すと、どこか悪戯っぽく、囁いた。

「わかっている、内緒だ。…二人だけの、秘密だ」

その言葉が鼓膜を揺らした瞬間、ゆきの脳裏に鮮烈な記憶が蘇る。

これ…ずっと前にも、同じような事があった…

秘密…

それ以上その場に留まるのが恐ろしくなり、ゆきは地面に置いてあった買い物の袋を慌てて両手で掴み取った。

「失礼します…!」

逃げるように軽く会釈をすると、ゆきは一度も振り返ることなく、小道を足早に去っていった。

乱れる足音が、遠ざかっていく…。

赤く染まった夕暮れのなか、義勇はその小さくなっていくゆきの後ろ姿を、ただじっと、静かに見つめ続けていた。


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