第10章 ライブだよっ!
「宮地サン顔赤いっすよー」
「うるせぇな埋めんぞ」
「宮地、俺の家軽トラ以外特にないぞ」
「名前も顔が赤いのだよ」
『き、気にしないで』
ひゃー。と思いながら先程と同じように顔を冷やしながら緑間くんの横に立った
童顔の宮地さんと目の位置が違うのか、緑間くんの目を見ようとしたら眼鏡もあって無理だった
「宮地さんの席、俺らの中で1番なっちゃんに近い席じゃないっすか!」
「お前らになっちゃんなんて100年早えよ」
「どーせ隣なんですから、一緒に行きましょー!」
「…お前らにオタ芸を教えてやる」
『宮地さんオタ芸できるんですか?』
「当たり前だろ」
『すごい!
ここだと目立つから…今度見せてください!』
「あ?ああ…」
オタ芸を特技とする男子を見る目ではないのか少し驚かれたが、少し笑ってその場をやり過ごした
そんなあたしに高尾くんはニヤニヤしながら見ていたが、何かを思い出したのかニヤニヤを止めた
「あ、名字ちゃん
今度チケットのお礼に何かおごるわ」
「あ…チケットありがとな。金とかは…」
『いや、大丈夫です!』
「いやそういうわけにいかねぇだろ」
『2人から何ももらってないので…宮地さんだけからもらうわけには…』
「今度特製コロコロ鉛筆をやるのだよ」
『お願いします』
中学生のときにマークシートでコロコロ鉛筆は効力をすごく発していることをよく知っているので深く頭を下げた
顔を上げて高尾くんの方を見るとやけにニヤニヤしており、嫌な予感がすると思いながら彼を見ているとすごいことを言おうとした
「だってこれ名字ちゃんが自分のライ『高尾くん!内緒内緒!』」
「ライ…?」
『ライフです!
私の残りの命に関わるんです!』
「ブッハ!
名字ちゃんの命1つじゃねぇのかよ!」
『ワタシニハ、フクスウアリマス』
「名字ちゃんキャラがめっちゃ変わってる…!ハハハ!」
高尾くんを横目で見るとお腹を押さえながら転げ回って笑っており、先輩からちょっと変な視線を送られていた
ざまあみろ。とは思わないが少しだけ冷たい目で見てしまい、罪悪感が生じた