第9章 大きな仕事
「…はい。オッケーです!
ありがとうございましたー!」
『こちらこそありがとうございました!』
人数がそれなりに多いせいか普段の撮影よりは早く終わった
水着から私服に着替え再び外に出ると春雨さんが立っており、横には見知らぬ男の人が立っていた
「なっちゃん、こちらはおは朝占いのディレクターさんでね
今回の撮影を通して決心されたみたいなの
あなたにおは朝占いのコーナーを任せたいんですって」
『おは朝占いって…おは朝占い!?
ま、毎朝見てます!』
「なっちゃんに見てもらえるのは光栄だよ
良かったらおは朝コーナー担当、やらないか?」
『や、やります!』
あれ、おは朝って緑間くん見てるんじゃなかったっけ?
…ヤバイぞ、これ
緑間くんが見てる=高尾くんが念のためチェック=高尾くんあたしのこと知ってる=いじられる!
「で、詳しい話は後日するから…また春雨さんを通して連絡させてもらうよ」
『はい。よろしくお願いします!』
この撮影やって良かったぁ!と緩む頬を押さえながら春雨さんにお礼を言う
しかし私は何もしてないわよ。と返されて何故か大人っぽさを感じた
『あの…おは朝って、生収録なんですかね…』
「いえ、録画したものを使うそうよ
なっちゃんが学生だからって、考慮してくれたわ」
『よ、良かったぁ…』
これなら普通に学校行ける!と嬉しく思いながらこれからのことを考える
その時ふわりと、宮地さんの顔が頭に浮かんだ