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《冨岡夢》恋い、慕う[鬼滅の刃]

第5章 呼吸




『えっ……、あの、羽織り…』

「…着てろ。」

『いやいや、悪いですよ!!
寒さは別に平気ですから!!』


「いいから着てろ。
お前がまた熱を出したら、俺が胡蝶に文句を言われる。」





うーん…

確かにそうなったら申し訳ないけど
本当に借りちゃっていいのかな…?


少し不安だったけど
冨岡さんが肩にかけてくれた羽織りは
すごく暖かくて…


私が冷えないように気遣ってくれた
冨岡さんの優しさも、凄く暖かく感じて

私は羽織りの布を、ギュッと握りしめた。






『ありがとうございます…。
寒さなんか感じないほど……暖かいです…』


「っ…、…そうか。」




冨岡さんが一瞬息を詰まらせた事に気付かないまま、私達はしばらくの間

空から静かに降り続ける雪を眺めていた。




雪を眺め続けている間、会話は何もなかったけど
気まずさなんて全く感じず

何だかとても穏やかで、落ち着いた空気だけが私達の間に流れていた。









ーーー…きっと、この時から、私は冨岡さんのことを特別に思い始めたのかもしれない…。





でも
その事に気付くのは、もう少し先の話…。




………それは、隣にいる冨岡さんも同じだった。










ーーーおまけーーー





(ところで…、お前はなぜ刀を持参したんだ?)


(あ、これですか?
しのぶちゃんに持って行けって言われたんです。)


(??なぜだ?)


(私も分からないんです。なんか……
猛獣の住処に兎を放り込む…?みたいな事を
言ってたんですが…
どういう意味なのか分かりますか?)


(いや、分からない。)


(ですよね〜。私も全然分からないので
帰ったら聞いてみます。)


(答えが分かったら俺にも教えてくれ。
何だか無性に気になる。)


(分かりました〜!)






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