第4章 決断
集中…
呼吸を意識して、集中力を高めるんだ…
『ふーっ…』
瞑想は集中力を高めるだけじゃなくて
精神を鍛えられるって
キヨちゃん、マホちゃん、スミちゃんが勧めてくれた本に書いてあった。
私の場合、精神力が弱過ぎるから
普通の人の2倍……
いや、何10倍も鍛えないと。
『すぅーっ…ふぅーー…』
目を瞑りながら、ずっと精神統一をしていると
耳元で誰かが囁く声が聞こえたような気がした。
「さ〜ん」
『……。』
「聞こえてますか〜?さ〜ん、」
『ん…?うわっ、しのぶちゃん!?』
閉じていた目を開けて、顔を横に向けると
至近距離に忍ちゃんの可愛い顔があって
驚いた勢いで、大声が出てしまった。
「呼吸の訓練もいいですけど
そろそろ昼食の時間ですよ〜」
『えっ!?もうそんな時間!?』
気がつくと、呼吸の訓練をし始めたのは
朝の9時くらいからだったから…
既に3時間も経過していた。
「最近とても頑張っているようですが
あまり無理はいけませんよ?」
『心配してくれてありがとう。
でも大丈夫、健康なのが私の取り柄だから!』
「ですが…、ここのところ
あまり睡眠を摂っていませんよね?
毎日遅くまで本を読んでいるとか…」
…しのぶちゃんには、全部筒抜けかぁ。
最近の私は、昔の鬼殺隊員が遺した日記、
鬼に関する資料、鬼殺隊の歴史書など
色々と読み漁っていた。
呼吸を使えないことも私の課題だし
鬼殺隊や鬼の知識が足りていないこともまた課題で…
それらの課題に取り組むには
睡眠時間を削るしか、私には方法がなかった。
知識を増やして、呼吸が使えるようになれば
自分の自信に繋がるし、プラスになることばかりだから、睡眠が足りていなくても、身体は元気に動くし、私にとっては全く苦ではない。